【勉強しよう!】障害者虐待防止法の内容について
こんにちは、カメちゃんです。
障がい者に対する虐待が、障がい者の尊厳をがいしていることは当たり前のことです。
障がい者の虐待を防止することが重要なことで、また虐待をしてしまったものに対する支援も必要だと、国も動き出したのです。
平成23年6月に「障害者に対する虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が議員立法により可決、成立しました。
いわゆる、「障害者虐待防止法」のことです。
法律として施行されたのは、平成24年10月1日からです。
障がい者への虐待は「ダメなこと!」と、誰しもが当たり前に思っていることです。
そんな常識的なことが、きちんと法律で施行されたのが、つい数年前とは、と驚いてしまします。
「高齢者虐待防止法」が平成18年に施行、また「児童虐待防止法」が平成12年に制定されています。
それらと比べると、国の障がい者行政への対応の遅れが顕著にあらわれている印象を受けてしまいます。
では、「障害者虐待防止法」の内容をみていきたいと思います。
「障害者虐待」の定義
障害者虐待防止法では、「障がい者」とは、障害者基本法第2条第1項に規定する障がい者と定義されています。
その条文というのがこれです。
「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」
を、障がい者としています。
ここでいう「障がい者」は、障がい者手帳を持っているかどうかは関係ありません。
また、18歳未満の者も含まれます。
養護者による障害者虐待とは
ここでいう「養護者」について説明したいと思います。
「養護者」とは、障がい者の家族や親族、同居人で、障がい者の身辺の世話や身体介助、また障がい者の金銭の管理などをおこなっている者のことを言います。
養護者が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
同居している家族が、身体介助中(着替えや排泄、入浴介助など)にイライラして、つい軽く叩いてしまった。など
「軽く」叩いたから大丈夫だとかいう問題ではなく、その行為をおこなったことで虐待となるのです。
叩かなくても、暴言や声を荒げる、といった言葉の暴力も当然ダメです。
なお、18歳未満の障がい者にかかる通報については、児童虐待防止法が適用されます。
障がい者福祉施設従事者等による障害者虐待とは
「障がい者福祉施設従事者等」とは、障害者総合支援法という法律に規定された「障がい者福祉施設」や「障がい福祉サービス事業所」ではたらいている者のことを言います。
ほぼすべての障がい者福祉施設が、法律の要件を満たして運営されているので、一般的にある障がい者福祉施設ではたらいている者すべてが「障がい者福祉施設従事者等」にあたることになります。
障がい者福祉施設従事者等が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
入所施設、通所施設ではたらいている職員は、上記のような虐待行為をしてはダメです。
指示通り、思い通りに障がい者が動いてくれないから無理やり腕を引っ張った。
動き回って怪我をしそうだから、作業の邪魔になるから、ということで少しの間ひもでしばった。
などなど、命の危険に及ぶような行為以外は、虐待にあたります。
施設・事業所ではたらく職員はプロなので、安易に虐待行為をしてはいけませんし、そうと見られる行為もおこなってはダメです。
なお、高齢者関係施設における障がい者虐待については「高齢者虐待防止法」が、児童福祉施設における障がい者虐待については「児童福祉法」が適用されます。
使用者による障害者虐待とは
「使用者」とは、障がい者を雇用する事業主、または事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関することについて事業主のために行為をする者のことを言います。
多くは、障がい者を雇っている社長さんということになります。
ちなみに事業主には、国及び地方公共団体は含まれていません。
また、派遣労働者の場合は、派遣先の会社の事業主(社長さん)ということになりまう。
使用者が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
会社などではたらいている障がい者に対して、不当な虐待をおこなうことを禁止しています。
小さい大きい関係なく、雇う社長さんや従業員は、障がい者に対する理解を持って接しなければならないのです。
さいごに
「障害者虐待」のおもな内容3つを挙げましたが、障がい福祉施設などへの転職を考えている方にとっては、「障がい者福祉施設従事者等による虐待」のところを、特に意識する必要があります。
障がい者施設などではたらくに当たり、常に障がい者の意志や人権を尊重して、障がい者の立場になったサービス提供を心がけねばなりません。
障がい者に対する知識や特性を、理解していない場合に「障がい者虐待」は起こりやすいです。
一人ひとりが障がい者の生活を守るんだ、という自覚を持ち、そのための知識や技術をすすんで学ぶことが大事になってきます。
ま、常識的な意識を持っている方であれば、十分つとまると思いますので、おそれずドンドン「障がい者支援施設」へ応募・転職してください。
最後まで、お読みくださりありがとうございます!