【転職】福祉用具を取り扱う会社への転職を考える
こんにちは、カメちゃんです。
障がい者が生活するなかで、不自由な身体などの一部を補うための用具があります。
例えば、車イスや義足、また補聴器や入浴補助用具などが思い浮かびます。
それらを取り扱い、販売したり、貸したりする福祉用具の会社があります。
障がい福祉関係では、そのような福祉用具販売業者などへの就職・転職も選択肢として考えられます。
福祉用具を取り扱うふたつの事業
障がい者の身体などの一部を補う福祉用具を取り扱う行政の事業には二種類の事業があります。
1.「補装具」
2.「日常生活用具」
どちらも障がい者が生活していくなかで、なくした機能を補完する補助用具という点では同じです。
取り扱っている用具が違うので、そこを説明したいと思います。
補装具とは
補装具については、その用具の種類を国(厚生労働大臣)が決めています。
そして、下の3つの要件をすべて満たしているものであることが必要です。
①身体の欠損や損なわれた機能を補完し、代替するもので、それぞれの障がいに対応して設計・加工されたもの
②身体に装着して日常生活または就学・就労に用いるもので、同一製品を継続して使用するもの
③給付に際して、専門的な知見(医師による判定)を要するもの
補装具の種類について
補装具は、障がいにより不自由な身体の一部を補完するための補助器具です。
いくつか例を挙げたいと思います。
・義手、義足
・上肢装具、下肢装具、体幹装具
・座位保持装置、座位保持イス
・車イス、電動車イス
・歩行器
・歩行補助つえ
・盲人用安全つえ
・義眼
・補聴器
・重度障がい者用意思伝達装置
などが挙げられます。
日常生活用具と比べると、より必要度が高いというイメージの補助用具です。
日常生活用具とは
日常生活用具とは、重度障がい者等に対して、自立した生活を営むために必要な用具を給付するか、または貸与することによって、円満な日常生活をおくれるように便宜を図るためのものです。
日常生活用具は、その用具を決めているのは各地方自治体になります。
ですから、市町村により給付される用具が違っていたりします。
決定できる範囲も国より柔軟にできる分、種類も豊富になります。
日常生活用具の種類について
①安全かつ容易に使用できるもので、実用性のあるもの
②日常生活上の困難を改善し、自立を支援し社会参加を促進するもの
③製作や改良・開発にあたって障がいに関する専門知識や専門技術を要するもので、日常生活品として一般に普及していないもの
の3つの要件をすべて満たす用具で、下に挙げた用具を給付または貸与します。
・「介護、訓練支援用具」
→入浴担架、特殊寝台、特殊尿器 など
・「自立生活支援用具」
→入浴補助用具、頭部保護帽、移動支援用具、T字状つえ、聴覚障がい者用屋内信号機 など
・「在宅療養等支援用具」
→吸入器、吸引器、透析液加温器、酸素ボンベ運搬車、盲人用体温計 など
・「情報、意思疎通支援用具」
→携帯用会話補助装置、点字ディスプレイ、点字タイプライター、視覚障がい者用携帯レコーダー、盲人用時計 など
・「排泄管理支援用具」
→収尿器、ストマ用装具 など
・「居宅生活動作補助用具」
→手すりの取り付け、段差の解消などの住宅の改修費
在宅での生活のしづらさを補うことがメインの福祉用具となっています。
補装具がより必要度が高いイメージだと書きましたが、日常生活用具は、より在宅で暮らす支援に重きを置いて、いろいろな種類の支援用具を取り扱っているイメージと言えるでしょう。
転職先として
福祉用具を取り扱う会社は、「補装具」「日常生活用具」と分かれておらず、すべて含めて福祉用具として取り扱っています。
さらに言うと、高齢者分野(介護保険)でも福祉用具がありますので、それらも一体的に取り扱っている会社がほとんどです。
「福祉用具専門員」といった資格で求人を見かけます。
ただ、その資格は福祉用具専門相談員指定講習を修了すればいいので、仕事をしながら取得することが可能です。
ですから、資格などが無くても(有ればもちろん、なお良いですが)、未経験でもOKです。
障がい者分野、高齢者分野、と福祉業界を一体的にみることができるので、福祉業界への経験を幅広く得ることができる仕事だと思います。
仕事上、市役所などへ相談に行くことも多く、私も行政職員の時は、多くの福祉業者さんとお話をしました。
何度も顔を合わせるので、慣れてくれば友達感覚で話もできるし、気軽な営業先として見てもらえるのでは、と思います。
ということで、「福祉用具」を取り扱う会社への転職・就職を考えるのも良いのではとおすすめします。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【勉強しよう!】障害者虐待防止法の内容について
こんにちは、カメちゃんです。
障がい者に対する虐待が、障がい者の尊厳をがいしていることは当たり前のことです。
障がい者の虐待を防止することが重要なことで、また虐待をしてしまったものに対する支援も必要だと、国も動き出したのです。
平成23年6月に「障害者に対する虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が議員立法により可決、成立しました。
いわゆる、「障害者虐待防止法」のことです。
法律として施行されたのは、平成24年10月1日からです。
障がい者への虐待は「ダメなこと!」と、誰しもが当たり前に思っていることです。
そんな常識的なことが、きちんと法律で施行されたのが、つい数年前とは、と驚いてしまします。
「高齢者虐待防止法」が平成18年に施行、また「児童虐待防止法」が平成12年に制定されています。
それらと比べると、国の障がい者行政への対応の遅れが顕著にあらわれている印象を受けてしまいます。
では、「障害者虐待防止法」の内容をみていきたいと思います。
「障害者虐待」の定義
障害者虐待防止法では、「障がい者」とは、障害者基本法第2条第1項に規定する障がい者と定義されています。
その条文というのがこれです。
「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」
を、障がい者としています。
ここでいう「障がい者」は、障がい者手帳を持っているかどうかは関係ありません。
また、18歳未満の者も含まれます。
養護者による障害者虐待とは
ここでいう「養護者」について説明したいと思います。
「養護者」とは、障がい者の家族や親族、同居人で、障がい者の身辺の世話や身体介助、また障がい者の金銭の管理などをおこなっている者のことを言います。
養護者が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
同居している家族が、身体介助中(着替えや排泄、入浴介助など)にイライラして、つい軽く叩いてしまった。など
「軽く」叩いたから大丈夫だとかいう問題ではなく、その行為をおこなったことで虐待となるのです。
叩かなくても、暴言や声を荒げる、といった言葉の暴力も当然ダメです。
なお、18歳未満の障がい者にかかる通報については、児童虐待防止法が適用されます。
障がい者福祉施設従事者等による障害者虐待とは
「障がい者福祉施設従事者等」とは、障害者総合支援法という法律に規定された「障がい者福祉施設」や「障がい福祉サービス事業所」ではたらいている者のことを言います。
ほぼすべての障がい者福祉施設が、法律の要件を満たして運営されているので、一般的にある障がい者福祉施設ではたらいている者すべてが「障がい者福祉施設従事者等」にあたることになります。
障がい者福祉施設従事者等が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
入所施設、通所施設ではたらいている職員は、上記のような虐待行為をしてはダメです。
指示通り、思い通りに障がい者が動いてくれないから無理やり腕を引っ張った。
動き回って怪我をしそうだから、作業の邪魔になるから、ということで少しの間ひもでしばった。
などなど、命の危険に及ぶような行為以外は、虐待にあたります。
施設・事業所ではたらく職員はプロなので、安易に虐待行為をしてはいけませんし、そうと見られる行為もおこなってはダメです。
なお、高齢者関係施設における障がい者虐待については「高齢者虐待防止法」が、児童福祉施設における障がい者虐待については「児童福祉法」が適用されます。
使用者による障害者虐待とは
「使用者」とは、障がい者を雇用する事業主、または事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関することについて事業主のために行為をする者のことを言います。
多くは、障がい者を雇っている社長さんということになります。
ちなみに事業主には、国及び地方公共団体は含まれていません。
また、派遣労働者の場合は、派遣先の会社の事業主(社長さん)ということになりまう。
使用者が障がい者に対し、「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「放棄・放置(ネグレクト)」「経済的虐待」などの行為をおこなってはいけません。
会社などではたらいている障がい者に対して、不当な虐待をおこなうことを禁止しています。
小さい大きい関係なく、雇う社長さんや従業員は、障がい者に対する理解を持って接しなければならないのです。
さいごに
「障害者虐待」のおもな内容3つを挙げましたが、障がい福祉施設などへの転職を考えている方にとっては、「障がい者福祉施設従事者等による虐待」のところを、特に意識する必要があります。
障がい者施設などではたらくに当たり、常に障がい者の意志や人権を尊重して、障がい者の立場になったサービス提供を心がけねばなりません。
障がい者に対する知識や特性を、理解していない場合に「障がい者虐待」は起こりやすいです。
一人ひとりが障がい者の生活を守るんだ、という自覚を持ち、そのための知識や技術をすすんで学ぶことが大事になってきます。
ま、常識的な意識を持っている方であれば、十分つとまると思いますので、おそれずドンドン「障がい者支援施設」へ応募・転職してください。
最後まで、お読みくださりありがとうございます!